今の日本は、医療費が税収の8割程度

を占めています。

 

日本は、国民の自己負担が3割でと

どまっており、恵まれた医療を受け

られる世界でも有数の低負担・

中福祉の国です。

 

しかし、その恩恵を受けるあまり、

私たちは病気を遠ざける努力を怠って

いるのかもしれません。

 

今こそ、一人ひとりが患者力を身に

つけて、医療費の節約を意識しな

ければ、ならないのではないで

しょうか。

 

医療費の節約の必要性

平成27年度の国民医療費は42兆

3644億円となり、平成26年度と

比べて1兆5573億円の増加と

なっています。


これは日本全体の国家予算の半分に匹敵

する金額で、国民1人当たりでは平均

33万3300円となりました。

 

年代別だと65歳以上の一人当たり74万

1900円が目立っており、15歳から

44歳の若い世代では一人当たりの医療費

12万100円に留まっています。

 

 

 

 

これは言い方を変えると、祖父母が孫のク

レジットカードで孫の貯金を使っている

ようなものです。

 

国民皆保険は、健康な人が病気の人を負担

するという形で、医療の負担は3割ですんで

いますが、これは、健康な人が7割を負担

してくれているからです。

 

日本は、国民がこの仕組みに納得して成り

立っている、世界でも稀有な国です。

海外では、60歳以上は保険適用から

外される国もあるくらいです。

 

 

今後、高齢化がさらに加速する日本に

とって、国家の医療費の節約は切迫

した課題となります。

 

医療費節約を実現するためにも、これ

からの時代、私たちはもっと体や健康の

ことを勉強して、医者に頼らない生き方

を目指すべきです。

 

それには一人ひとりが「患者力」を高める

必要があります。

この「患者力」には、知る力、見抜く力、

自己決定力、自己治癒力、往生力が含まれ

ます。

 

患者力を鍛えるこれら5つの力について、

説明します。

 

患者力を鍛える5つの力

知る力

体の仕組みや病気と医療の意味を正しく

知ることは大切です。

医療は病気を治すためにあるものですが、

医療機関に行くまでもない病気もたくさん

あります。

 

その代表が風邪です。風邪をひいたら、

当然のように医者に行く人が多くいま

すが、風邪の原因となるウイルスを

やっつける薬はありません。

 

医者が出している薬は、すべて症状を

抑えるための対症療法でしかなく、

本当に治せるのは、体を温めて休養を

とることだけです。

 

しかし、仕事や子育てなど、やるべき

ことがあって休んでいられないという

場合もあるでしょう。

そういう場合は、市販の風邪薬でも

十分です。

 

驚くことに、風邪の診断で抗生物質を

処方する医師がいるようですが、

風邪で抗生物質を出すのは世界でも

日本くらいです。

 

 

上表に示すように、抗生物質は細菌を

やっつけて感染症を治すのに効果を

発揮しますが、風邪のウイルスには

効きめがありません。

 

それどころか、抗生物質をとることで、

腸内にある善玉菌まで殺して、免疫力を

落としてしまうといった残念な弊害が

あるのです。

 

見抜く力

風邪対策ひとつとってもそうですが、

簡単に医師のいいなりにならないよう、

見抜く力を養う必要があります。

 

患者が医師と対等な関係になるのは

難しいでしょうが、まずは自分が信頼

できる医者かどうかを見極めることも

ひとつです。

 

最近は、セカンドオピニオンとして

このような考え方が広まってきました。

下図はセカンドオピニオン利用法を

示したものです。

 

 

ある治療法を提案されても、他の治療

法や可能性はないか聞けたり、自分が

知りたいことをきちんと聞ける医者が

一人でもいると患者力は上がります。

 

自己決定力

患者さんが医療を難しく感じたり、

わからないというのは理解できます。

 

しかし、だからといって、誰かに自分の

治療法の決定を任してしまうのではなく、

「自分で決める」という考え方です。

 

自分がどうしたいのか、といった希望や

目的を持ち、そのためにはどうすれば

いいのかを考えてほうがよいです。

 

そうでなければ、医者は患者さんの

納得のいく医療を提供することがで

きません。

 

最近は、医療内容について医者事前に

説明することが当り前になっています。

これを理解して、医者の手案を選択

する力が重要です。

 

 

医者は、学生時代から、患者さんを治す

ために全力を尽くすよう教わり、それを

実践しています。

 

ですから、患者さんの希望を聞かないまま

医療を施し、それが患者さんの意思と

異なっていれば、双方にとって喜ばしく

ない結果を生みかねません。

 

自己治癒力と往生力

自己治癒力

対症療法はあくまでも症状を抑えるための

一時しのぎであって、病気が治っている

わけではありません。

 

根本的に病気を治すには、免疫力が上がる

よう、考え方や生活習慣、食生活などを

見直し、体から変えていく必要があります。

 

 

人間の細胞は日々生まれ変わっています、

規則正しい生活にシフトをすると、そこ

から新しい体が生まれます。人生の目的を

持って生きることで、細胞活性化が促進

され、自己治癒力アップにもつながります。

 

往生力

自分の余命はあと1年だと想像してみて

ください。

自分はどんな生き方をしたいか、どんな

人生を生きたいか、考えてみるのです。

 

すると、どんな風に死を迎えたいかも

想像できると思います。

 

納得のいく死を迎えるために、元気な

うちに何をしておいたらいいかを考え、

実践し、後悔のない人生の幕引きに

備える。

 

仮に余命が限られてしまっていたとしても、

病気とうまく折り合いをつけながら、

有意義に楽しく毎日の時間を積み重ねて

いくことができれば、その人の人生には

悔いは残らないことと思います。

 

これからの医療は、命を引き延ばす方法

ばかりが人を幸せにするとは言えなく

なっています。

 

下表は終末期(末期ガン・認知症進行)

に希望する治療の例です。

 

 

まとめ

一人ひとりが「患者力」をつけて、自分が

どうありたいのか、どう生きたいのかを、

生き様を示すことが重要になってきました。

 

そうすることで医療を使っても、医療に

依存するのではない、自立した人生を

生ききることができるようになるのでは

ないでしょうか。