最近、顔のイメージは出てくるのに、

名前がとっさに出てこないケースが

増えてきました。

 

年を取ったためと考え、物忘れ防止策を

調査してみました。

すると、前が出てこないは、年を取った

からではないようです。

 

本記事では、記憶の正体と、記憶との

付き合い方を紹介します。

 

重要な「名前」を忘れやすいわけ

名前が出てこないのはあなたの記憶

力が悪くなったからではありません。

歳を取っても記憶力(覚える・思い出

せる力)が悪くなるとは限らない

からです。

 

でも、歳をとれば脳細胞は、減っていく

一方なのでは、という人がいるかも

しれません。

 

しかし、脳細胞同士がつながってできる

神経回路は年齢とともに増えており、

記憶容量は増えているとも考えられる

のです。

 

年のせいにする人は、単なる努力不足

であると考えられます。

 

そしてまた、昔自分がものを覚える

ために、どれほど努力したのかを忘れて

いるのです。

 

そして、努力不足の影響をもろに受ける

のが名前です。

 

というのも、重要なわりには繰り返す

ことが少なくなりがちで、意識的に

覚える努力をしないと忘れやすいもの

だからです。

 

たとえば、あなたはお客様や取引先の

担当者と名刺交換した後、その人の

名前を繰り返し呼んでいますか?

 

おそらく、最初のあいさつで二三回

呼ぶ程度で、会話で相手の名前を口に

することはほとんどないでしょう。

 

このため、内容などは覚えていたと

しても、名前はスポッと抜けてしまう

ことが多いのです。

 

また、そのときの会話で、少しだけしか

話題にしなかった相手の出身地や趣味は

覚えていても、名前だけ覚えていない

こともよくあります。

 

これは、出身地や趣味などは「意味が

ある」のに対し、名前は「意味がない」

ものだからです。

 

「意味がある」とは、出身地や趣味の

話には多かれ少なかれ、何かしらの

イメージが浮かびます。

 

そのイメージが相手に関する記憶として

関連づけられ、思い出しやすいのです。

 

一方、名前は「意味がない」ため、何か

具体的なイメージが浮かぶことは皆無

でしょう。

 

このため、相手に関する記憶として関連

づけられにくく、思い出しにくいのです。

 

このように忘れやすい「名前」ですから、

意識的に繰り返す努力が必要不可欠であり、

それをしなくなると「名前が出ない」と

なるのです。

 

「ただ、あのときは確かに覚えたように

思ったのですが……」と思う人もいる

かもしれません。

 

「〇〇さん」と覚えた感触はあったのに、

すっかり思い出せなくなっているのが、

信じられないのでしょう。

 

ただ、これは不思議でも何でもありません。

実は、われわれの記憶には、「覚えたよう

でいて、実は覚えていない記憶」がある

からです。

 

ワーキングメモリの容量を実感する

このなんとも不思議な記憶は「ワーキング

メモリ(作業記憶)」と呼ばれています。

 

近年、われわれが情報処理するうえで

重要な役割を果たすものとして注目され、

さかんに研究が行われている記憶です。

 

このワーキングメモリは、何かの目的の

ために一時的に情報を蓄えておく記憶で、

「脳のメモ帳」にたとえられたりします。

 

 

今この瞬間、あなたがこの文章をスムーズに

読めるのも、ワーキングメモリがあって

こそです。

 

今読んだところをワーキングメモリに

よって覚えているので、それを次に読む

ところとつなげることができます。

 

これによって理解ができるわけです。

このように、ワーキングメモリはすぐに

記憶してくれる非常に便利なもので、

われわれの情報処理には欠かせません。

ただ、弱点があるわけです。

 

その弱点とは、容量が非常に小さい

ことです。

 

「マジカルナンバー7」と言われたり

しますが、ワーキングメモリに蓄えら

れる情報は7±2個だといった実験結果が

あります。

 

最近ではさらに少なく4±1という研究も

あるほどです。

 

この容量を超えて新たな情報が入って

くると、古い情報は出されてしまい、

忘れてしまいます。

 

名刺交換したときは、ワーキングメモリ

に名前が入って、「確かに覚えた」という

感覚があったとしても、その後の会話で

ワーキングメモリに新たな情報が入って

くると、名前の情報は追い出されて

しまいます。

 

もし、相手に関する記憶と結びついて

いれば、思い出すこともできるのですが、

名前は「意味がない」ため、結びつきが

弱く思い出しにくくなるのです。

 

これが、「ただ、あのときは確かに

覚えたように思ったのですが……」という

ことが起こる原因です。

 

では、ここからは「名前が出ない……」

問題をどうやったら解消できるかを

説明します。

 

効果的な4つの繰り返し

まずは、ワーキングメモリにだまされない

ことです。

ワーキングメモリに入ると「確かに覚えて

いる」という強い実感があります。

 

しかし、その記憶はとてもはかない

ものです。

そこから押し出されてしまえば、ほかの

結びつきがない限り、すっかり忘れて

しまいます。

 

したがって、「今、確かに覚えている実感は

あるけれど、ワーキングメモリに入っている

だけだからこのままだと忘れてしまう」と

自覚することです。

 

この自覚があって、初めて忘れないための

努力をする気になります。

 

次に忘れないための努力ですが、繰り

返しです。

繰り返すことによって、脳に対して

「これは大事な情報なんだ」と伝わり、

記憶が強化されるからです。

 

ただ、「繰り返し」にもいろいろ

あります。

ここでは記憶するのに効果的な、以下の

4つを紹介します。

 

1)覚えているうちに繰り返す
2)思い出しながら繰り返す
3)話しながら繰り返す
4)イメージに変えて繰り返す

まずは「覚えているうちに繰り返す」

です。

ワーキングメモリに入って覚えている

うちに繰り返すことです。

 

覚えていることは、繰り返すのも楽

ですよね。

 

覚えているのに繰り返す必要はない、

と思うかもしれませんが、ワーキング

メモリに入っているだけでは本当に

覚えてはいません。

 

そして、繰り返すなかでも効果がある

のが、「思い出しながらくり返す」です。

普通は名前を覚えようとするときに、

名刺の名前を見ながら繰り返す人が

大半でしょう。

 

 

ただ、それではあまり効果がないのです。

それよりも、名刺を見ないで相手の顔を

見て名前を思い出そうとすることです。

 

名前を覚えた状態というのは、相手の

顔を見たり思い浮かべたときに、

その人の名前が出ることですから、

それを実際に行うのです。

 

もちろん、すぐに思い出せなければ、

名刺を見て構いません。

とにかく、相手の顔を見て、サッと

名前が思い出せるまで繰り返すのです。

 

五感を使えば記憶はより強化できる

五感利用の効果

さらに効果があるのが、「話しながら

繰り返す」ことです。

つまり、会話の中で相手の名前を実際に

話しながら繰り返すことです。

 

これは話すことで、耳からの記憶にも

なりますし、口を動かした運動の記憶

にもなります。

 

こうして五感をできるだけ使うことで、

記憶が強化されるのです。

 

 

そして、最後の繰り返しが「イメージに

変えて繰り返す」ことです。

 

これは、名前を何か具体的なイメージに

変えて、そのイメージを繰り返し思い

浮かべながら、相手の記憶と結び付ける

のです。

 

先ほど、出身地や趣味といった「意味

ある」もののほうが名前という「意味の

ない」ものよりも記憶に残りやすいことを

 

解説しましたが、強引にでもいいので、

名前を具体的なイメージにしてしまう

のです。

 

例えば名前が「池谷」であれば、谷間に

ある池に相手が浮かんでいるイメージ

するといった具合です。

 

こうして具体的なイメージにすることで、

相手の記憶と結びつきやすくなり、その

イメージから名前を思い出すことが

できるようになるのです。

 

五感を活用した勉強法紹介

五感を活用した代表的な勉強法を紹介

します。

 

  • 指でなぞりながら読む
  • 音読する
  • 書き取りをする
  • ディクテーションやシャドーイング

 

重要度が増している英語のリスニング

学習方法として有名なのが、ディク

テーションとシャドーイングです。

 

勉強しても成果がなかなか出ないと

お悩みの方が多いので、少し詳しく

説明します。

 

シャドーイング

メリット・・・スピーキング力も身につく

シャドーイングのメリットは、ネイ

ティブ音声にあわせて口を動かす

作業をともなうため、リスニング力

だけでなく、スピーキング力(特に

発音)が身につくことです。

 

ディクテーションはリスニングには

効果あるのですが、スピーキング力を

鍛えることまで及びません。

 

よって、総合的には、シャドーイングの

方が学習効果は高いといえます。

 

デメリット・・・難易度が高い

私はシャドーイングとディクテーション

両方をやっていますが、「シャドー

イングの方が難しい」と感じています。

 

というのも、シャドーイングは、音声を

聞き取ったうえに、さらに正確に発音する

作業が加わり、非常に負荷がかかるからです。

 

一方、ディクテーションは聞き取れればいい

だけなので、シャドーイングよりは簡単です。

 

ディクテーション

メリット・・・聞き取れない音を細かく確認できる

ディクテーションは、聞こえた音声を

紙に書くことで「どこが聞き取れて

いないか?」を徹底的にチェックする

ことができます。

 

もちろん、シャドーイングでも、「発音

できなかった部分」が「聞き取れなかった

部分」に該当するので、間接的にチェック

することはできます。

 

しかし、1語1語細かく聞き取れない

音をチェックするためには、やはり文字に

書きおこす作業(=ディクテーション)を

する必要が効果的です。

 

デメリット・・・時間がかかり面倒

シャドーイングは音声を聞いて声に出す

だけなので、あまり時間がかかりません。

 

たとえば、5分の音声でしたら、シャドー

イングする時間も5分となります。

(もちろん、初心者の場合は練習する

のに時間がかかりますが。)

 

一方、ディクテーションは文字を書き出す

作業であるため、時間がかかります。

たとえば、5分の音声に対して、ディク

テーションする時間が30分以上かかる

ことだってあります。

地味で面倒な作業のため、途中で挫折して

しまう人も多いようです。

 

結局、どちらがいい?

シャドーイングをするには、ある程度の

リスニング力があることが前提です。

そもそも聞き取ることができなければ、

声に出すことは不可能ですので。

 

英語初級~中級レベルの場合、シャドー

イングは難しいため、まずは簡単な音声の

ディクテーションでリスニング力を鍛える

ことを先にやった方がいいかもしれません。

 

一方、中級~上級レベルの場合、リスニングの

基礎力はあるはずですから、なんとかシャドー

イングできるはずです。

 

もちろん、最初は口が回らず難しく感じますが、

練習すれば徐々にできるようになっていきます。

 

つまり、リスニング力にくわえてスピーキング

力も鍛えたい「中級~上級者」はシャドーイング、

まずはリスニング力を鍛えたい「初級~中級者」は

ディクテーションがいい、ということになります。

 

まとめ

人はついつい、「私は記憶力が悪いから」

「歳のせいで記憶力が悪くなったから」と

記憶力のせいにして、覚える努力をしよう

としません。

 

ただ、「あの人、記憶力がいいなあ」

と思われている方は、ここでも紹介

したようなちょっとした努力をしている

だけにすぎまないようです。

 

また、「大ざっぱであいまいな記憶は

残りやすい」「位置、空間に関する

記憶は覚えやすい」といった記憶の

特徴があります。

 

こういった記憶の特徴を知り、それを

活用することで、皆さんの記憶する力は

グーンと高まります。

 

ぜひ、皆さん記憶の正体を知り、記憶と

うまく付き合っていってください。