「だるい」「朝、起きられない」「休日に

ゴロゴロしても休んだ気がせず、疲れが

残る」こんな状態が続くビジネスパーソン

は珍しくありません。

 

体が疲れたとアラーム信号を送ってくれ

たら、こまめに休みをとり、リフレッシュ

することが大切です。

 

さもないと、疲労さえ自覚できない状態に

陥ってしまう可能性があります。

以下、疲労への対処法を解説します。

 

約4割の人が半年以上続く慢性的な疲労を認識

厚生労働省が実施した疫学調査によれば、

38.7%の人が半年以上続く慢性的な

疲労を感じており、そのうち2.1%には、

日常生活に支障をきたすような、慢性的な

疲労が見られました。

 

文部科学省研究班が行った調査でも、

約45%に半年以上続く慢性的な疲労が

認められました

 

1970年から1980年代にも6〜7割

の人に疲れが見られましたが、大半は一晩

寝ればとれる軽いものでした。

 

インターネットやスマートフォンの普及、

企業でのリストラの加速、成果主義の浸透

など、生活や労働環境の変化に伴い、今は

慢性的な疲れに変わってきています。

 

疲労は体の異常を知らせる大切なアラーム信号

疲労のきっかけの一つは、ストレスです。

ストレスには人間関係の悩みなどの「精神

的ストレス」だけではなく、

 

過重労働や激しい運動のような「身体的

ストレス」、紫外線や化学物質、猛暑、

感染症などのさまざまな「生活環境

ストレス」もあります。

 

これらのさまざまなストレスがかかると、

体の神経系・免疫系・内分泌系のシステム

にひずみが生じ、細胞レベルではタンパク

質や遺伝子に傷がつきます。

 

本来、人間にはそれを修復する能力が

備わっているますが、運動や作業を

止めず続けた場合や、過度のストレス

状況に置かれた場合などには、傷を修復

することができません。

 

そのため、人は「だるい」「しんどい」

という感覚で疲労を自覚することによって、

休息をとり、元の健康な状態に回復させて

いるのです。

 

疲労感というアラームを無視するのは危険

疲労感を覚えたら、一旦活動を休止して

休息するというのが健全な状態といえます。

 

とはいえ、現実的には「分かっていても

なかなか休めない」という人も多いのでは

ないでしょうか。

 

「休め」というアラームを無視して働き

続けると、細胞の傷が修復できなくなり、

心筋梗塞や脳血管障害などの深刻な事態に

陥ることもあります。

 

 

その疲労のメカニズムをもう少し詳しく

見てみましょう。

ストレスは、体の神経系・免疫系、内分泌

系のシステムに絶えず影響を与えているが、

通常は体にひずみが生じても修復され、

この3つのシステムが大きく崩れることは

通常ありません。

 

しかし、修復能力を超える強大なストレス

や、長期間にわたりストレスがかかると、

次第にナチュラルキラー細胞などの免疫

力が低下して、ウイルスに対する抵抗力が

弱くなってしまいます。

 

すると体に潜在していたウイルスが元気に

なってきて、発疹ができたり、風邪を繰り

返したりします。

 

こうなると免疫系は防御体制を発令して、

体を守るための免疫物質をつくり出します。

この免疫物質はウイルスを抑えるのには

有効ですが、脳に悪影響を与えます。

 

それが、なかなかとれない疲れや不安・

抑うつなどの症状を引き起こすのです。

長年の疲労研究の成果により、さまざまな

疲労に伴う症状には、脳の機能異常が関係

していることが明らかになってきています。

 

機能異常が起こる脳の部位と、全身の痛み、

疲労感、抑うつなど、現れる症状との相関

もわかってきており、これからは脳の画像

で疲労を診る研究が進むとみられます。

 

セロトニンなどの神経伝達物質による

脳内の情報交換がうまくいかなくなると、

疲れているのに疲労感を自覚できなくなる

こともあります。

 

いわば「疲労感なき疲労」です。

 

慢性疲労に陥る前にまずは自分の疲れを意識する

覆い隠された疲労は、自覚はなくても

体の活動能力は低下している状態です。

 

気づかずに活動し続ければ、最悪の場合、

過労死などの急激な破綻につながる

こともあるため注意が必要なです。

 

こうした自覚しにくい疲労の状態を知る

ためにも、客観的に疲労を評価できる

指標が求められます。

 

個人レベルでは、慢性的な疲労に陥る前に、

自分の疲れの状態に心を配り、その日の

疲れはその日のうちに回復させることを

意識することが大切です。

 

また、同じストレスでも、それに対する

感受性やストレス処理の仕方によって、

疲れの感じ方は大きく違ってきます。

 

具体的にどうすればいいかというと、

ストレスがあるときは誰でもその原因を

分析し、解決しようとするが、なかなか

解決できない場合は、可能であればその

状況から“抜け出すこと”が大切です。

 

それができない場合は、家族や友人、

同僚などに自分の状況を説明して共感

してもらう、あるいは、怒る、泣く

といった感情表現をすることも大切

なのです。

 

1日の睡眠や週末の休息では、回復

しない疲労が蓄積している場合は

要注意です。

 

1カ月以上続けば「遷延性疲労」、

6か月以上続けば「慢性疲労」

と呼びます。

 

慢性疲労症候群と呼ばれる病気が、慢性

疲労と混同されることがあります。

慢性疲労症候群は日常生活そのものが、

破壊されるような深刻な病態なのです。

 

単なる「慢性疲労」とは区別する必要が

あります。

長く疲労が続いている場合は、医療機関

へ相談する必要があります。

 

まずは日頃から疲れの状態をセルフ

チェックする習慣を持つことは非常に

大切です。

 

自身疲労度のセルフチェック

下図が疲労度を自己診断するための

チェックリストです。

各項目に、「全くない」から「非常に

強い」まで当てはまる点数を記入します。

 

記入が終わったら同じ列の点数を合計

すると、身体的、精神的、それぞれの

疲労度合いが、両方を足すと総合評価が

分かります。

 

「疲れたな」と感じたら、こうしたリスト

を使って疲れ具合をチェックしましょう。

 

 

まとめ

その日の疲れはその日のうちに回復させる、

これが基本的な鉄則です。

こまめに休みを取り、意識して疲労をため

ない習慣を身につけることが大切です。

 

とはいっても、状況がなかなか許して

くれず、自覚なしに疲れをためこんで

しまうことはあります。

 

例えば、週一度セルフチェックを実施し、

自分の状態変化を数値で把握してみては

如何でしょうか。

健康は全ての基本ですから。