遠距離介護とは、離れて暮らす高齢の

両親が自立した生活を送れるように、

子供がサポートすることです。

 

両親は老老介護で頑張りますが、

一人になる時期がきます。

 

その親に介護が必要になった場合、

そばにいて面倒をみてあげたいという

気持ちがあったとしても、親に介護が

必要な時期は、大抵の場合、自分も

働き盛りの年齢です。

 

自分自身が家庭を持っている場合、

仕事と家庭、介護のすべてをうまく

こなすのは相当な労力になるます。

 

私は知識が無いまま、いきなり遠方

介護を始めたため、非常に苦労した

経験があります。

 

 

今回は、私の失敗を踏まえて、離れて

暮らす両親が心配な人のために、遠距離

介護について事前に知っていたほうが

よい情報を紹介します。

 

遠距離介護決断と始め方・準備

子供的には親の考えを尊重して、同居

を含めて、介護方法を悩むところで

 

ただし、遠距離介護を決断せざるを

得ない場合があります。

 

遠距離介護を決断する理由

親は一人暮らしに不安はあるものの、住み
慣れた土地のほうが過ごしやすいです。

また、住み慣れた土地を離れるのには

勇気が必要です。

 

これまでその土地で築いた人間関係や、

かかりつけの病院などを捨てて、知って

いる人の少ない場所へ、生活の拠点を

動かすのが不安が大きいところです。

 

また、高齢者の中には環境の変化に

うまく対応できず、住む場所が変わると

認知症を発症したり、認知症ならば、

症状が悪化するリスクが大きいです。

 

新しい環境への移り住みは、高齢者から

すると心身ともに負担が大きくなり

がちなケースが多いです。

 

介護する側の社会的立場

両親が介護を必要とする年齢になる頃

には、子供は管理職など社会的に責任

ある地位を得ていたり、

 

妻と子供がいて休日は家族との時間を

大切にしていたりと、現在の場所で

生活の拠点を築いていることが

ほとんどです。

 

その場合、現在の生活拠点を離れ、

地元に帰省して親の介護だけに

専念するのは難しいでしょう。

 

年齢面からも介護離職から再就職が

上手くいがず、生活が非常に苦しく

なるのは、よく聞くはなしです。

 

遠距離介護開始前の準備

家庭内での話し合い

介護の方法や、利用可能な介護サービス、

介護にかかる費用負担など、さまざまな

点で家族内の事前の話し合いが必要です。

 

遠距離介護の場合は、介護そのものに

かかる費用だけでなく、交通費なども

考慮しなくてはなりません。

 

日常生活と交友関係を知る

親の日常生活を知ってていれば、どの

時間帯に連絡をとればよいのかという

ことだけでなく、病気他、何を不自由に

感じているのかなどを、確認しやすく

なります。

 

また、交友関係を把握して、親の友人と

信頼関係を築いた上で、何かあった

ときに、連絡をもらったり、臨時に対応

してくれるよう頼んでおければ大きいです。

 

親の預貯金や生命保険等の確認

親の預貯金や生命保険類を確認した上で、

介護の方向性を決める必要があります。

 

この辺り文字にするのは簡単ですが、

親のプライベートに大きく踏み込む

ことになり、いきなりは壁が大きいです。

 

両親が健在なうちから、少しづつ話を

していくことが重要です。

 

また、認知症になると悪徳商法などにも

引っかかりやすくなるため、印鑑や権利

証など貴重品類を確認しておくことも

重要です。

 

私の経験からいうと、認知症患者は

事前に会話パターンを決めておき、

その場を何とかやり過ごそうとします。

よって、悪徳商法であっても、買って

その場が過ぎればと考えるようです。

その後は、カモリストで共有される

展開となります。

 

介護負担が大きくなると家庭内や周囲の

人間との不和へつながったり、金銭

トラブルにエスカレートしたりする

可能性もありますので、しっかり確認

しておきたいところです。

 

介護施設等の把握

「遠距離介護」は、被介護者側がある

程度自立した生活を送れることが前提

となります。

 

そのため、認知症や身体的な事情などで

自分一人での生活が難しい場合には、

施設の利用を考えなければなりません。

 

施設にもそれぞれ利用条件があるため、

被介護者にどのような疾患があり、利用

可能な施設にはどんな種類があるのかを

把握しておく必要があります。

 

 

 

我が家でいえば、現状親は認知症で

要介護3認定されており、特別養護

老人ホームに入所しています。

何とか親の年金の範囲で済んでいます。

 

 

また、例えば、65歳以上で脳梗塞や

くも膜下出血などの脳血管疾患や認知

症などを患っている人の場合、介護

療養型医療施設への入所が可能です。

 

医療措置が目的であり、重症度が高い

高齢者が優先的に入所できます。

 

入所するには、希望する施設に書類を

提出し、面談や健康状態などによって

判定を受ける必要があります。

 

 

必要とされる医療サービスで決める

のが基本ですが、子供サイドで費用の

持ち出しが大きい選択は難しいところ

です。

 

介護にかかる費用の把握

介護サービスを利用する場合は、介護

認定を受け、介護保険サービスを利用

して自己負担を減らすのが基本です。

 

 

介護保険サービスを利用しないと、

すべて自己負担しなければなりません。

 

要介護認定を受けた後は、ケアマネジャー

に相談し、利用可能なサービスを検討して

もらいましょう。

 

ここで、ケアマネージャーは介護施設と

ひもついていることが多いため、

合わないときには、地域包括支援センター

に相談して、交代させることが可能です。

 

状況に合わせて、福祉用具のレンタルや

配食サービスなど、使えるサービスは

積極的に使うことで、負荷を低減する

ことが大切です。

 

周囲の人やかかりつけ医(主治医)との連携

遠距離介護を続けていくには、周囲の

支援や協力は欠かせません。

 

身体的に不自由さを抱えた場合、孤独

感を抱えがちですが、近隣や友人へ

様子を見にいってもらうように声を

かけておくと安心です。

 

かかりつけの医師とも小まめに連絡を

とり、必要なときはすぐに対応して

もらえるようにしておきましょう。

 

また、民生委員の手を借りることも

重要です。

民生委員は住民の相談に乗ったり、生活

支援を行ったりと幅広く活動しています。

 

私の母は公務員(教職)を退職後、民生

委員を2期6年務めさせて頂きました。

介護の仕組みを熟知し、介護サイドとの

橋渡しを熱心に行っていました。

 

母は晩年、心臓に大病を患い、介護が

必要な状況になりました。

しかし、父の自宅介護のみで、公の

介護を使用しませんでした。

 

知識は誰よりもあったはずなのに、

自分のこととなると対応できない,

もしくはしない。

人生観含め、介護利用は難しいですね。

 

住宅リフォーム

要介護認定を受けている場合、高齢者

一人あたり20万円までの助成金が

支給されます。

 

リフォームを希望する場合は、担当

ケアマネジャーに相談し、検討する

ことが可能です。

 

助成金の申請方法や必要書類は状況に

より異なるため、担当のケアマネジャー

に尋ねてから準備を進めてください。

 

介護度が重くなると、これまでと同じ

ような日常生活は難しくなります。

 

生活の質を守るためにも、ある程度

健康なうちにリフォームしておく

ことを推奨します。

 

遠距離介護のメリット・デメリット

離れて暮らしているからといって、

遠距離介護にはデメリットしかない

わけではなく、メリットも存在します。

 

メリット

転居しなくてよい

遠距離介護の場合は、介護者自身は

住む地域を離れなくても良いため、

介護のために仕事を辞める「介護

離職」を避けることができます。

 

年齢的にも再就職が困難な年代の人に

とって、介護のために退職することは

大きなリスクで、避けるに越したことは

ありません。

 

介護保険のサービスを利用しやすい

認知症だけでなく、脳疾患の後遺症

などで施設の利用を検討することも

あると思いますが、遠距離介護の

ケースでは、そういう人たちの入所の

優先順位が高くなる傾向があります。

 

都心部をはじめ、入所待機者が飽和

状態の地域も多いので、少しでも早く

入所できるのはメリットです。

 

介護ストレスが軽減される

被介護者とともに生活しているわけでは

ないので、介護負担が偏ることなく、

常時介護に関わるよりもストレスが

軽減されます。

 

介護者が結婚している場合は、身近に

頼ったり相談したりできる家族もいる

ため、精神的な負担も軽くなります。

 

デメリット

費用がかかる

住宅改修費や介護サービス利用費、福祉

用具レンタルなどは介護保険の範囲内で

賄える部分もありますが、遠距離介護

にはそれ以外に、通信費や帰省費用が

かかります。

 

 

通信費とは、各事業所やケアネジャー

との電話の際にかかります。

無料通話アプリや割引を利用し、交通費

に関しては各種割引サービスを検討する

ことをおすすめします。

 

帰省費用についても、交通費のみでは

なく、お世話になっている近隣や友人

へのお土産代などが必要なこともあり、

決して小さな負担とはいえないでしょう。

 

何かあった場合に早急な対応ができない

毎日様子を見られる状況ではないため、

事故が起きたり容体が急変したりした

ときに早急な対応ができません。

 

本人と小まめに連絡をとるとともに、

緊急時に対応してもらえるよう普段から

ケアマネジャーや近隣住民とのコミュニ

ケーションを図っておくことが重要です。

 

遠距離介護成功のポイント

遠距離介護を成功させるために重視

すべきポイントを紹介します。

 

コミュニケーションを密に

親や周囲の人々とのコミュニケーション

を増やしていくことが大切です。

親は「子供に負担をかけたくない」と

思いがちです。

 

体の不調や困り事があっても言い出せ

ずに状況が悪化することがあります。

連絡を密にとり、今の状況を細かく

確認することが、後々のトラブルを

未然に防ぎます。

 

近所の人や専門職の協力を仰ぐ

ケアマネジャーとの電話や連絡は小まめ

に行い、帰省した際には近隣住民と

良好な関係を築いておきましょう。

 

遠距離介護を選択した人の多くは地元に

頻繁に帰省するのが難しいと見られる

ため、日頃から様子を気にかけてくれる

近隣住民やケアマネジャーの存在は

ありがたいものです。

 

サービスや制度を積極的に利用する

介護保険サービスのほかにも、自治体や

民間のサービス、民生委員などのボラン

ティアが提供しているサービスなどが

あります。

 

親を常にサポートできない状況なので

あれば、それらのサービスを積極的に

活用しましょう。

 

介護費用は親の貯金で賄う

金銭面の話はトラブルにつながりやすい

ため、介護費用は基本的に親自身のお金で

賄えるように計算することが大切です。

 

介護は親の生活の質を保つために行う

ものなので、親が老後のために貯めた

資金を充てるのは理にかなっています。

 

現実には、下図に示すように資産の

二極分化が進む中、難しいところです。

 

 

事前によく親と話し合いをし、預貯金や

貴重品類の把握をしておきましょう。

 

遠距離介護で利用したいサービス

さらに安心な遠距離介護を目指すので

あれば、見守りサービスや費用負担を

減らせるサービスなどを活用しましょう。

各種サービスとその内容についてご紹介

します。

 

見守りサービス

自治体による安否確認サービスや配食

サービス、企業によるセンサー型の見守り

サービスなど、さまざまな種類があります。

 

中には郵便配達の際に高齢者の様子を

確認してもらえるタイプもあります。

 

地域によってその内容は多岐にわたる

ので、親が住んでいる地域で作成された

高齢者向け冊子などを取り寄せてみて

ください。

 

自治体の公式Webサイトから確認するか、

直接連絡をしてみましょう。

 

航空会社の介護帰省割引

頻繁に帰省できる人は、航空会社が

提供している介護帰省割引を活用

しましょう。

 

利用できる条件は、被介護者が「二親等

以内の親族」「配偶者の兄弟姉妹の配偶者」

であることです。

 

申し込みには「介護保険証・介護認定通知」

「戸籍謄本か抄本」「現住所記載書類」

などが必要なので、各航空会社へ問い

合わせてみましょう。

 

なお、介護割引があるのは「JAL」「ANA」

「SFJ(スターフライヤー)」の3社です。

割引率は条件により変りますが、目安35%

程度です。

 

介護帰省割引よりも格安航空券のほうが

安い場合もあります。

 

格安航空券はスカイチケットから購入

できるので、なるべく交通費を安く

抑えたいという人は検討しててください。

 

コミュニケーションロボット

コミュニケーションロボットは、簡単な

会話だけでなく、高齢者向けのレク

リエーションなどを行うこともできます。

 

 

孤独になりがちな高齢者にとって良い

刺激になり、認知症の進行を遅らせたり

発症を予防したりできるというメリット

があることから、コミュニケーション

ロボットを導入している施設もあります。

 

 まとめに代えて

被介護者である両親と毎日関わることが

できないからこそ、周囲の人々の目と

手を借りるのが遠距離介護を成功させる

ポイントです。

 

協力をお願いしたい人と信頼関係を築き、

コミュニケーションを積極的に図って

いきましょう。

 

介護はお金の問題とも密接に絡んでいる

ため、介護サービスを受ける場合は、

助成金や割引などを最大限活用しながら、

少しでも負担額を減らせるように工夫

することが大切です。

 

また、認知症や脳疾患後の後遺症などに

より自宅での介護サービスのみでは困難に

なってきた場合は、被介護者の状況や

ニーズに合った施設への入所を検討する

必要が出てきます。

 

ただし、多くの高齢者は自宅で過ごす

ことを希望しているものです。

本人の意向を確かめながら、最善の

形を検討していきましょう。

 

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まとめ記事として、整理してみました。