上記記事の中で、年金問題の根本原因と

して、少子高齢化を取り上げました。

少子高齢化は、実際にはもっと深刻な

問題です。

 

日本の最大の危機とは世界中が知って

いる通り、「少子高齢化」という長期

トレンドで、「これは死に至る病」と

呼ばれています。

 

本記事では、少子高齢化の問題点と、

政府が「一億総括役時代」と称して取り

組んでいる対策、そして、実質的な移民

政策にかじをきったことを紹介します。

 

少子高齢化の問題点

下図は2017年版高齢社会白書より引用

した、日本の年齢区分別人口推計と総人口

比です。

 

↑ 日本の年齢区分別将来人口推計(万人)(2017年版高齢社会白書より)
↑ 日本の年齢区分別将来人口推計(万人)(2017年版高齢社会白書より)
↑ 日本の年齢区分別将来人口推計(総人口比)(2017年版高齢社会白書より)
↑ 日本の年齢区分別将来人口推計(総人口比)(2017年版高齢社会白書より)

 

上図によれば、毎年、ひとつの県が消滅

する勢いで、日本から人の数が減って

いきます。

 

2020年代には、より悲惨な推計と

なっています。

 

人口喪失ペースは第2次大戦の末期に

匹敵しており、国土からどんどん人が

いなくなっていくのです。

 

しかもさらに恐ろしいことがあります。

 

膨大な数の人口が「後期高齢者」となり、

「養う人」から「養われる人」に回ります。

例えば、団塊の世代が大量に後期高齢者に

なる時期は、2025年問題と呼ばれて

います。

 

一方で、その人々を「養う人」である

現役世代の人口は、急激な勢いで減って

いくことは、人口分布から確実です。

 

現在の年金制度はもともとが、「定年後、

死ぬまでの数年間を過ごす」という前提で、

制度設計がなされています。

 

方式は「積み立て方式」ではなく「賦課

方式」ですので、その時点で働いている

現役世代が負担をして、高齢者を養って

いくという基本構造がベースです。

 

しかしこの制度は、

  • 大半の人が定年後も30年以上生きる
  • 働ける現役世代の数が半減する

という現状には全くそぐわないものです。

 

昭和40年代の政府内の資料には既に、

こうした時代が来ることが、きちんと

予測されています。

 

実際のところ、しかるべき改革の提言も

何度もなされましたが、施行された施策は、

少子化が急速に進むトレンドをくい止める

のが精一杯でした。

 

 

また、医療費というさらなる問題もあります。

延命治療の発達や高価な医薬品の開発など、

最近の医療の進歩は、人類史に燦然と輝く

ものです。

 

しかし増大し続ける医療費を賄うために、

国家は税収の大半を注ぎこまなければ

いけないのが実態です。

 

日本のGDPは約550兆円国の税収は

約55兆円ですが、医療費だけで約45

兆円もかかっているわけです。

もはや「防衛」や「教育」どころではない

のが実状です。

 

これらの多くを人口の半分しかない現役

世代が、ひたすら働いて負担し続けるしか

ないわけです。

 

しかも現役世代は、高価な教育費を支払って、

次の世代を教育する義務も課せられています。

私もまさに、その状況に直面しています。

 

 

「養う人」の数が減るのに「養われる人」

は増大する。

 

しかも「養われる人」にかかるお金は途方

もない勢いで、どんどん増えて続けている

わけです。

 

やはり「少子高齢化」は有史以来、日本

民族が経験した、「最大の危機」と言って

よいのではないでしょうか。

 

無論、北朝鮮の核ミサイルは大変な脅威

ですし、中国軍の海洋進出も立派な「国難」

です。

 

とはいえ、外敵の攻撃を受けても反撃し、

撃退し、破壊の後に復興することも

可能です。

 

しかし、「少子高齢化」という「最大の

危機」は、抜本的な改革をしてトレンドを

反転しない限り、ほぼ確実に日本国と日本

民族を滅ぼしてしまいます

 

ここに初めて本格的に切り込んだのが安倍

政権です。

 

一億総活躍社会の意味するところ

安倍政権が唱えてきた「一億総活躍社会

とは、「養う人」より「養われる人」が多

くなるという未来を、根底からひっくり

返すことを意図したものです。

 

 

短時間労働やワークシェアリングを全国民に

普及させ、老若男女を問わず皆が「まずまず」

の収入を得れば、国民の大半が「養われる人」

から「養う人」に回ります

 

2017年夏から安倍政権は政策の目標を

より直接的に絞り込み、「働き方改革」に

フォーカスしています。

 

 

これによって、「養う人」と「養われる人」

のバランスを改善し、日本の未来の「最大の

危機」に対抗しようとしています。

 

国家に襲いかかる「最大の危機」を考え

れば、これこそが決定的に重要な政策的

方向性であり、実際、安倍政権が最も力を

入れていることです。

 

もうひとつ、「安倍政権が人口減少を止

める」ための布石を、静かに、しかし

確実に打っています。

 

実質的な移民政策の発動

安倍政権は「人口1億人の維持」という

数値目標を、戦後、初めて公式に掲げた

政権です。

 

そしてそのための処方箋もきちんと認識し、

必要な施策を行いました。

 

背景として、「保守層」が期待していた

ような、「第3次ベビーブーム」が不可能

なったことがあります。

 

1971~74年生まれの「第2次ベビー

ブーム」世代が、みんな揃って40代

突入してしまいました。

 

社会的な背景があったとはいえ、日本人が

突然、子供をたくさん産み始め、人口が

自然増に転じる可能性はなくなりました。

 

変わりに安倍政権が手をつけ、推進して

いるのが、「実質的な移民政策」です。

そして、これは当初から成果を挙げて

います。

 

2014年の経済財政諮問会議(いわゆる

「骨太会議」)に、「選択する未来」委員

会が設置されています。

 

この委員会に出されたひとつのデータに、

毎年20万人の移民を受け入れ続ければ、

人口はやがて1億人で維持・安定する

とあります。

 

 

これにより、海外投資家は「日本も移民を

受容するか」と、密かに「期待」を寄せた

ました。

 

しかし、2014年の「骨太方針」からは

移民政策が全部、落とされ、安倍総理は

内外に「移民は受け入れない」と公言し、

「移民政策への期待」と「保守層の反発」を

どちらも鎮静化させました。

 

ともすれば排外主義的な傾向を強めている、

安倍総理の支持層の反発を考えれば、

「移民の受容」などは到底、口に出せない

ことなのです。

 

表面的な数字、例えば、難民認定を見て

みると、2016年に日本で難民認定を

申請した外国人は1万0901人と過去

最多を更新しました。

 

15年から3315人(約44%)増加

しました。

このうち、15年中に難民と認定された

のは28人で、前年の27人をわずかに

上回った程度です。

 

しかし、安倍政権は「外国人材の受け入れ

という表現で、事実上の「移民政策」

推進し続けています。

 

安倍政権と自民党はひとつのトリック

行っています。

 

自民党は「移民とは」の定義として、

「入国時に永住権を有する者」と書いて

います。

 

一方、「就労目的で入国した者」につい

ては、「移民には当たらない」と定義して

いるのです。

これは、国際的にみてあり得ない定義です。

 

着の身着のままに入国する移民や難民が、

入国前に永住資格をとれることは非常に

少ないです。

 

通常はなんらかの短期的な入国資格を手に

入れ、数年~10年くらいの教育と労働を

積み重ねることで、ようやく「永住権」が

認められ「国籍」を取得し、「移民」と

して正式に移り住むことになります。

 

安倍政権が猛烈な勢いで導入する「外国

人材」は、「就労目的で入国した者」に

あたるわけですが、いかに彼らに「定住

外国人」になってもらい、「永住権」を

取得してもらうかが、安倍政権の最大の

関心事項のひとつです。

 

国際的な定義をそのまま援用するならば、

これらの人は純然たる「移民予備群」

なのです。

 

安倍政権の政策推進スピードは凄まじい

ものがあります。

 

具体的には「国家戦略特区」を導入したり、

「技能実習生制度」を拡大させる法改正を

行ったり、「経済協定による看護師・介護士」

を導入したり、また「日本版グリーンカード

の導入を検討したりと、凄まじい勢いで

「外国人材」を受け入れ始めています。

 

 

 

 

また、入管法を改正せずに運用だけを大幅に

やわらげ、「料理人」や「家事労働者」と

いった、少し前ならあまり歓迎されなかった

労働者が、「特殊な技能を有する」として

受け入れられています

 

また農作業や農業経営に従事する人々を、

「外国人材」として導入する「農業特区

の構想も、早ければ次の国会で成立する

可能性があります。

 

自民党はこれらの人々を、「移民ではない」

と定義していますが、彼らが「定住外国人」

となり、永住するようになれば、国際的には

立派な「移民」と呼ばれる存在になります。

 

実際、これらの政策は早速効果を発揮して

おり、直近1年間の「定住外国人」は

15万人の増です。

 

 

先に「年間20万人の移民受け入れで人口

1億が定着」と、「骨太会議」に出された

試算をご紹介しました。

 

実際には、2015年頃から着手した政策

であるにもかかわらず、すでに半ば以上、

目標を達成しつつあります。

 

この政策的な方向性がしばらく続けば、

日本の「少子高齢化」は確実に終息に

向かい、国力は反転上昇していくものと

思われます。

 

経済力も軍事力も、つまるところ人口で

決まります。

 

 

21世紀の後半、本当に「人口1億人」が

維持されれば、日本のGDPは世界5~9

くらいで安定することとなり、依然と

して「列強」の一角にとどまることも

可能なわけです。

 

 

アジアだけを見ても、中国,インドの2大

スーパーパワーの間に入って、調整役を

する国が必要だと考えます。

 

今後移民者の環境を整えることが必要

今世紀後半の日本人というのは、その1~2

割は肌の色が違う人々で占められことになり、

今とはずいぶん違う社会を構築することに

なりそうです。

 

「定住外国人」が日本国籍を取得しない

場合でも、その子や孫の世代は日本で育ち、

教育を受けます。

 

彼らの大半はやがて日本国籍を取得して、

純然たる日本人としての人生を歩むと

思われます。

 

今ですら、地方都市で電車に乗っていると、

黒人や南アジア人という10代の若者が、

流暢な大阪弁や東北弁を駆使して友人と

ふざけ、楽しそうに振る舞う姿をよく

見かけます。

 

また、野球,陸上,サッカー等のスポーツ

分野が先駆的で、我々も違和感なく応援

できるようになりました。

 

今世紀後半には日本中の津々浦々で、肌の

色が違う「日本人」が立派な日本人として、

納税をし、社会を支え、国を守り、政治に

参画して、また新しい日本人を次に生み

出すと思われます。

 

上記の際、安倍政権は中国や韓国といった

「日本に友好的でない国」からは、なる

べく定住させないよう注意を払っています。

今、大量に受け入れようとしているのは、

ベトナム、ミャンマー、カンボジア、インド

ネシアなど、「親日国」とされる国々のなか

でも特に日本を愛し、日本社会に溶け込む

意志と能力のある人々です。

 

 

少し具体的な数字をあげると、外国人労働者

というと中国人が大挙してやってきている

ようなイメージが強いですが、実態は異なり

ます。

 

中国人(香港含む)は2012年の29万

6388人から、2016年には34万

658人と4万8270人増えましたが、

年率にすれば1ケタの伸びです。

 

2013年25%増→2014年2.6%増、

2015年3.4%増→2016年6.9%増

といった具合です。

 

最も伸びが大きいのはベトナムで、2012

年には2万6828人に過ぎませんでしたが、

2013年39.9%増→2014年63.0%

増、2015年には79.9%増と激増

しています。

 

2016年も56.4%増となり、実数では

17万2,018人になりました。

15万人近くも増え、今や中国に次いで

2番目に多くなっています。

 

居酒屋などでは中国人店員の姿が減り、

ベトナム人を目にする機会が増えて

きました。

 

この数字をみると、なるほどと思う

ところがあります。

人数はまだ少ないですが、ネパール人の

労働者も増えています。

 

2016年で5万2770人と、2014

年の2万4282人から2年で2倍以上に

増えています。

 

しかしなら、急激な「事実上の移民」の

増加に対し、医療をはじめとする社会

インフラの整備は、ほとんどといって

よいほど手付かずの状態です。

 

安倍政権が導入を考える「外国人材」とは、

少なくとも普通の日本人並みの暮らしをし、

日本人全体のレベルを押し上げてくれる

人々です。

 

彼らが劣悪な状況に身を置かざるを得ない

ことで、底辺層に下落したり、スラムを

形成したりすれば、やがて欧州などと同じ

問題が日本でも発生します。

 

現状は、実質的な移民政策が先行して

いますが、受入れた人々のための法の

整備が急がれます。

 

まとめに代えて

「事実上の移民政策」に舵を切ったことを、

日本政府は決して口にしないでいますが、

猛烈なペースで「定住者」が増加しつつ

ある以上、早急に適切な対応をする必要が

あります。

 

国内の軋轢を最小限に抑え込みつつ、

じわりじわりと「新しい日本人」を増やす

ことが、安倍政権が進める「事実上の移民

政策」の「鍵」です。

 

確かに治安上の問題はあり、軋轢も大きい

ですが、米国やドイツの経済成長が常に

日本を上回るのは、良質な移民の確保に

成功してきたからであるのは、「世界

標準」のごく当たり前の考え方です。

 

一方、世界で強まっている移民排除のムードは、

日本での定住外国人の議論に間違いなく逆風です。

だからと言って、外国人を一切受け入れないで

鎖国することなどできるわけがありません。

 

現実に日本にやってきて何十年もたつ定住外国人も

たくさんいるわけです。

どうやって外国人を受け入れていくか。

覚悟を決める必要があると考えます。

 

移民によって、新たな活力がもたされさる

新しい次世代に姿に、大いに期待したいと

考えます。