上記記事で健康保険制度の基本 国民

健康保険・協会けんぽ・組合保険の

特徴と動向を紹介しました。

 

私の会社は、大企業からの独立を受け、

一年の猶予期間の後、健康保険を移行

する必要があります。

 

具体的には単一企業の健康保険(単一

健康保険組合)から、同業種のいくつ

かの企業が一緒になり設立された健康

保険(総合健康保険組合)に移行

することになりました。

 

本記事では、組合保険の種類を概説

した後、移行前後組合の具体的な

保険料・事業差を一例として紹介

します。

 

組合健保の概要

組合健保の設立条件の特徴について

ですが、社員数が700人以上

企業は国の認可を受けて、自分の

会社だけで健康保険組合を設立

できることになっています。

 

このような健康保険組合を単一

健康保険組合と呼びます。

 

他にも、同業種のいくつかの企業が

一緒になることで社員数が合計して

3,000人以上になる場合には、

共同で健康保険組合を作ることも

できます。

 

このような健康保険組合は総合健康

保険組合と呼びます。

 

協会けんぽとは違い、組合健保は保険

者が複数ありますので、保険証の種類

もかなりの種類にのぼります。

 

組合健保に加入している会社の場合は、

各種の届出などは、原則、社会保険

事務所に対して行うのではなく健康

保険組合に対して行います。

 

組合健保の保険者と保険料率

日本全国の組合健保の保険者数は、

1,400です。

保険料率は組合健保によって違いますが、

全国平均は9.103%です。

ただし、平均保険料率は10%以上の組合

健保が、およそ300もあります

ちなみに、組合健保の保険料率は健康保険

法の規定によって、健康保険組合が管掌

する健康保険の一般保険料率について準用

するとされています。

具体的には、同じ30万円の給料の場合、

1ヵ月の保険料(労使折半前)は、全国平均

(9.103%)では27,309円、10%

では30,000円です。

組合健保の被保険者数

健康保険組合連合会が発表した2016年度

健保組合予算早期集計結果の概要によると、

組合健保の被保険者数は前年度より32万

6,000人(前年度比2.07%増)増の

1,606万人です。

 

組合健保のメリット

健康保険の給付には、最低限しなければ

ならないと法律などで決められている法定

給付、組合健保が主体となって法定給付に

加する形で行う付加給付があります。

組合健保はそれぞれ保険者が異なり、考え

方も財政状況も違いますので付加給付の

内容も組合によってさまざまなものがあり

ます。

また、法律の範囲内で保険者が保険料を

決めることができるのも魅力の一つです。

財政状態が良ければ付加給付を充実させ

たり保険料を下げたりすることを検討で

きます。

さらに、組合健保の場合は、自分の組合に

特化した健康づくり制度を実施できます。

最近では、コラボヘルスと言って組合健保

企業が共同で行う健康づくりも話題に

なっています。

また、企業が健康経営を進める際にも組合

健保なら、連携できる部分を模索できます。

また、組合健保の独自の付加給付制度に

よって高額療養費の上限が1カ月に2万円

程度だったり、休業補償が給料の80%超

だったりと、独自で魅力ある内容がそれ

ぞれ用意されていますので、組合健保に

加入している人は自分の組合健保の付加

給付について調べておくと良いと思います。

組合健保の保険財政の状況

健康保険組合連合会の発表によると、昨年

より状況は良くなっているようですが、

2016年は赤字の組合は全体の6割を超え、

1,384億円の経常赤字とのことです。

 

ちなみに、2015年は1,492億円の経常

赤字で赤字の組合は、全体のおよそ7割だった

そうです。

 

【20171007追記】

健康保険組合連合会(健保連)は2017年

10月25日、大企業が社員向けに運営する

健康保険組合の4分の1を超える380組合が、

財政悪化で2025年度に解散危機を迎える

との試算を発表しています。

 

同年度に団塊の世代が全て75歳以上と

なり、健保組合が高齢者医療に拠出する

お金が急増するため。健保連は負担軽減を

求めています。

健保組合は全国に1399(2016年度

時点)あり、加入者は約2900万人。

保険料は企業と社員が原則折半しています。

 

試算では、健保組合の平均保険料率は2015

年度の9.1%から2025年度に11.8%に

上昇します。

 

380組合の2025年度推計保険料率は

12.5%以上になり、中小企業の社員らが

加入する「協会けんぽ」の保険料率を超える

計算となっています。

健保組合の保険料率が協会けんぽより高く

なると、企業は自前で健保を運営する必要が

なくなり、解散につながります。

 

協会けんぽの運営費には国費が投入されて

おり、多くの健保が協会けんぽに移れば、

国の財政負担も増えることになります。

 

大企業は異次元金融緩和により、莫大な

内部留保を抱えていますが、国策からも

現状の雇用者生活保障と合せて、自由に

使うことは難しそうです。

 

移行前後組合の具体的な保険料・事業差

移行後の2つの選択肢

会社としては、1年間の旧単一健康保険

組合の加入猶予期間のあと、脱退となり

ます。

 

そこで、いずれかの健康保険制度に加入

する必要があります。

選択肢は下記2つになります。

 

選択肢1:

会社の事業に関連する業界の総合健保

組合に加入する。

但し、加入には健保組合の審査がある

ため加入基準を満たしていない場合、

加入を断られる場合がある。

 

選択肢2:

上記の健保組合に加入できない場合、

公的機関(全国健康保険協会)が運営

する健康保険に加入する。

 

なお、協会が運営する健康保険を通称

「協会けんぽ」といいます。

 

業界内で評判の良い総合健保組合を狙った

のですが、審査が厳しく(平均年齢、被扶

養率)参加できませんでした。

 

何とか別の総合健保組合に書類審査、

理事会の承認を経て加入の内諾を得て

いる状況です。

 

移行前後組合の具体的な保険料・事業差

被保険者数は旧単一健康保険組合が25

万人程度、加入総合健康保険組合が22

万人程度(1400社程度)で規模的

には同程度となります。

 

保険料の差
  旧組合 新組合
健康保険 会社負担 5.0% 4.45%
個人負担 3.7% 4.45%
合計 8.7% 8.9%
介護保険 会社負担 0.67% 0.685%
個人負担 0.67% 0.685%
合計 1.34% 1.37%

 

負担率の差はともかく、旧組合の健康

保険の会社負担が大きいところが

ポイントです。

 

健康保険の保険料率個人負担が0.75%

増加、介護保険の保険料率個人負担が

0.015%増加となりました。

 

個人負担は、個々の月給・賞与によって

異なりますが、一例として年間6万円の

負担増となります。

 

但し、2年間は旧身分を保障する契約のため、

上記差額は補填されます。

2年以降は全く保障されておらず、非常に

怖いです。

下記記事のように、少しづつ準備を進めて

います。

 

 

参考までに協会けんぽとの差を、下表に

示します。

 

    新組合 協会けんぽ
健康保険 会社負担 4.45% 4.955%
個人負担 4.45% 4.955%
合計 8.9% 9.91%
介護保険 会社負担 0.685% 0.825%
個人負担 0.685% 0.825%
合計 1.37% 1.65%

 

事業の差

事業の差を簡単にまとめてみました。

 

  • 任意継続被保険者制度:同じ(下に説明)
  • 特例退職被保険者制度:旧組合のみあり(下に説明)
  • 付加給付      :新組合が手厚い
  • 予防接種等費用補助 :同程度
  • 健康増進事業    :旧組合が手厚い
  • 保養所       :旧組合が手厚い

 

任意継続被保険者制度

「任意継続被保険者」は、2年間という

期限付きですが、退職前とほぼ変わら

ない保険給付および保健事業を受ける

ことができるます。

 

一般的に国民健康保険より条件が良い

ため、こちらを選択する場合が多い

ようです。

 

しかし、家族構成や離職した理由などに

よっては、国民健康保険の方が保険料が

安くなる場合もあるので、一応、2つの

保険を比較してから決めてください。

 

特例退職被保険者制

「特例退職者被保険制度」を簡単に説明

すると、『定年などで退職して厚生年金

(老齢年金)などを受けている人が、

後期高齢者医療制度に加入するまでの間、

国民健康保険の保険料と同程度の負担で、

在職中の被保険者と同程度の保険給付

(傷病手当金・出産手当金を除く)、

ならびに健康診査等の保健事業を受ける

ことができる制度』です。

 

この制度には、次の3つのメリットが

あります。

 

  • 一般被保険者(現役社員)と同程度の医療給付や人間ドック等の保健福祉事業が受けられる
  • 一般被保険者と同じように、扶養家族も対象になる
  • 保険料は保険組合が決めた金額となるが、扶養家族分も含まれるので安上がりになることが多い

 

ここから、話を事業の差の話に戻します。

 

下記表は人間ドックの補助対象年齢と

自己負担の差です。

一長一短といったところです。

 

オプション検診に関しては、会社で医療

事業をやっているけあって、旧組合が

手厚いです。

 

旧組合 新組合
人間ドック補助

対象年令と自己負担(本人・家族共)

35才以上対象

健診費用の30%

40才以上

自己負担 5,400円

※35才以上の場合

自己負担 3,240円

でミニドック受診可

提携医療機関 全国各地の医療機関

(旧グループの医療

機関も含む)

・全国各地の医療機関

・直営の健診センター

(東京都)

 

参考までに協会けんぽとの差を、下表に

示します。

 

新組合 協会けんぽ
人間ドック費用補助 あり なし
インフルエンザ予防接種費用補助 あり なし
健康増進事業 あり なし
保養所 あり なし

 

まとめ

私の会社は、大企業からの独立を受け、

一年の猶予期間の後、健康保険を移行

する必要があります。

 

具体的には単一企業の健康保険(単一

健康保険組合)から、同業種のいくつ

かの企業が一緒になり設立された健康

保険(総合健康保険組合)に移行

することになりました。

 

その結果、保健料で年間6万円程度の

負荷増、事業内容はレベルダウンと

なりました。

 

個人的には、これまで福利厚生に感心が

薄かったことを反省しています。

一般的な公共サービスと合せて、積極

的に利用していこうと考えています。