私は2016年9月に、50歳以上を対象とし休日一日を
使った、ライフプラン研修を受けました。
社会生活の軸足を会社中心から、退社後に備えて、地域,
家族,趣味等を加えて多様化すること、
また老後資金把握として、ファイナルシャルプランナー
を招いて、80歳までの長期家計プランを作成しました。
私は上記をベースに、より詳しい表をエクセルで作成し、
ポイント年齢の管理、各種シミュレーションをしています。
冷静に将来の変化を視覚化することができ、非常に役立
ました。
私はお恥ずかしながら、60歳以降の雇用延長に関し、
給与が半分程度になる程度しか知りませんでした。
高年齢雇用継続給付なる言葉を見つけて、関係があり
そうなので調べてみました。
60歳以降も働く人への高年齢雇用継続給付
希望者は原則65歳まで雇用継続という「高年齢者
等の雇用の安定等に関する法律」改正が、平成25年
4月1日に施行されました。
これは、老齢厚生年金の支給開始年齢が60歳から
65歳まで段階的に引き上げられることによる、公的
年金の空白期間に対応するものです。
ただ、60歳以降も働き続ける際の賃金は、60歳時
賃金の50~70%程度に低下するケースが多く、
雇用保険では低下した賃金の一部を補う「高年齢雇用
継続給付」を行っています。
高年齢雇用継続給付の受給要件
高年齢雇用継続給付を受給するには、次の要件を
満たす必要があります。
- 60歳以上65歳未満で、雇用保険一般被保険者
- 雇用保険の被保険者期間が5年以上
- 60歳以降の賃金が、60歳時点の75%未満
- 育児休業給付金や介護休業給付の支給対象外
2種類の高年齢雇用継続給付
高年齢雇用継続給付には、雇用保険の基本手当の受給
状況によって次の2種類があります。
- 高年齢雇用継続基本給付金
基本手当を受給しないで継続して働く人に支給 - 高年齢再就職給付金
基本手当を一部受給した後、再就職する人に支給
高年齢雇用継続基本給付金は65歳まで
60歳以降、基本手当を受給せず雇用保険に加入して
働き続ける人の賃金が、60歳時点の賃金の75%
未満に低下した場合、「高年齢雇用継続基本給付金」が
受け取れます。
●支給期間
60歳になった月から65歳になった月まで
●支給額(平成27年8月1日現在)
・支給対象月の賃金の低下率が61%以下:
「支給対象月の賃金×15%」
・支給対象月の賃金の低下率が61%超~75%未満:
「支給対象月の賃金 x 一定の割合(15%~0%)」
支給対象月の賃金の低下率が75%以上:
支給されない
●支給上限額
支給上限額は33万9560円。支給対象月の賃金が
これ以上の場合、高年齢雇用継続基本給付金は支給
されません。
支給対象月の賃金と支給額の合計が33万9650円を
超える場合は、「賃金-33万9650円」が支給され
ます。
●支給下限額
高年齢雇用継続基本給付金の支給額が1832円を
超えない場合には支給されません。
●例:60歳到達時点の賃金月額が30万円の場合
- 支給対象月の賃金額が26万円(30万の約87%)
→75%未満に低下していないので支給はない - 支給対象月の賃金額が20万円(30万の約67%)
→高年齢雇用継続基本給付金は1万6340円 - 支給対象月の賃金額が18万円(30万の60%)
→高年齢雇用継続基本給付金は2万7000円 - 支給対象月の賃金額が8000円(30万のの約3%)
→支給下限額以下なので支給はない
高年齢再就職給付金は最長2年支給
雇用保険の基本手当を受給している60歳以上65歳
未満の人が、再就職して賃金が退職前の75%未満に
下がった場合、「高年齢再就職給付金」を受け取れます。
これは基本手当の支給残日数に応じて雇用保険から支給
されるというものです。
●支給期間
・基本手当の支給残日数100日以上200日未満:
1年間を上限に65歳到達まで
・基本手当の支給残日数200日以上:
2年間を上限に65歳到達まで
●受給要件
高齢者雇用継続給付の受給要件に次の2つが加わります。
- 再就職手当、または早期再就職支援金の受給なし
- 1年を超えて引き続き雇用されることが確実
●支給額
前出の「高年齢雇用継続基本給付金」とほぼ同額に
なっています。
在職老齢年金との併給調整により、年金が減る
高年齢雇用継続給付を受給すると、在職老齢年金との
併給調整が行われ、年金の一部が減額されます。
減額される年金額は次の通りです。
・賃金の低下率が61%以下:
標準報酬月額の6%相当額
・賃金の低下率が61%超75%未満:
高年齢雇用継続給付の給付率の減少にあわせて
年金支給停止率も6%から減少
高年齢雇用継続給付の支給率が15%の人の場合、在職
老齢年金の停止率が6%なので、実質的な給付率は9%と
なります
賃金が60歳時点より大幅にダウンしたからこそ支給
される、高年齢雇用継続給付です。
それなのに、受給すると併給調整で在職老齢年金が減額
されるケースもあります。
まとめ
いつも感じるのですが、サラリーマンからの税金は、
詳しい説明もないままに、増額され天引きされます。
一方、各種給付金は自分で調べないと、積極的に知る
ことが無く、給付を逃しているケースが多いです。
これは、介護制度の利用等、あらゆるケースで出て
きます。
情報弱者で、不要に損をしたり、不必要な苦労を
しなくても済むよう、分らない言葉に出会ったら、
こまめに調べましょう。
社会保険関連記事を、グループ分けして、
まとめ記事として、整理してみました。