2017年現在、一般の普通預金の金利は

0.001%程度で、利子には税金がかかり

ます。

 

ここで年金は65才から受給が基本ですが、

60才~70才の間で選ぶことができます。

繰下げ受給をすれば、8.4%/年で増額

されます。

 

70才から受給することにすれば、42%

の増額です。

しかし現実には、繰下げ受給を選択するのは

1%代です。

 

本稿では、繰上げ受給,繰下げ受給の内容を

説明し、引き続いて、繰下げ受給が選択され

ない背景施策を説明します。

 

年金の繰上げ受給・繰下げ受給

年金の繰上げ受給・繰下げ受給の内容

年金の支給は繰上げ受給をすることで、

0.5%/月づつ減額されます。

また、繰下げ受給することで、0.7%/月

づつ増額されます。

 

 

繰上げ受給により、前倒しで受給できますが、

受給額は減ります。

繰下げ受給により、受給額は上がりますが、

繰下げ期間分は、受給額がゼロになります。

 

下の表は、繰上げ支給と繰下げ支給の損益

分岐時期です。

繰上げ受給では、3列目の年齢以上に生き

ると、以降損し続けることになります。

繰下げ湯級では、3列目の年齢以上に生き

ると、以降得し続けることになります。

 

 

この表だけみると、平均寿命からみて

繰下げ受給が有利に思われます。

長生きリスク対策にも有利に働くと

考えられます。

繰上げ受給,繰下げ受給が選択割合

下の表は、実際に繰上げ受給,繰下げ

受給が選択されている割合です。

 

 

繰上げ受給選択者が40%程度なのに対し

繰下げ受給者は1%程度です。

一見有利そうに思われる繰下げ受給は、

何故ここまで選択されないのでしょうか。

 

年金繰り下げ受給が選択されない理由

繰下げ受給が選択されない最大の理由は、

加給年金の取り扱い施策にあると思われ

ます。

加給年金の内容

厚生年金には、一定の要件を満たすことで

「加給年金」という年金の上乗せ制度

用意されてます。

下図のように、夫が65才で厚生年金受給が

開始されてから、妻の年金受給が開始される

まで、支給されます。

また、支給終了後は、妻側に振替加算として

支給されます。

 

加給年金の金額は、加算の対象によって、

次のようになっています。

・配偶者:38,9800万円

加給年金額:224,300円 +

特別加算額:165,500円

(昭和18年4月2日以降生まれの場合)

・子ども:

  2人目まで、1人につき224,300円

  3人目から74,800円

(いずれも平成29年度価額)

 

加給年金の支給条件を下にまとめます。

夫の条件 ・厚生年金保険に20年以上加入していること(特例あり)
・妻、または子との間に生計維持関係があること
妻の条件 婚姻届を出している配偶者、または事実婚の関係にある場合も可
・厚生年金の被保険者期間が20年未満
・障害を支給事由とする公的年金を受けていない
65歳未満である(それ以降は振替加算になる)
・年収が850万円未満
子の条件 18歳に到達した年度末までの子
・または障害等級1級・2級の場合は20歳未満の子
・婚姻していない

 

振替加算の内容

・支給の対象者

配偶者加給年金の支給要件となっていた

配偶者のうち、昭和41年4月1日以前に

生まれた人に支給されます。

 

・受給の開始時期

加給年金の支給要件となっていた配偶者が

65歳に達したときに支給は終了し、

代わって配偶者に下記の振替加算が老齢

基礎年金に加算されます。

 

・振替加算の額(平成29年度)

生年月日別の振替加算額

年金繰り下げ受給が選択されない理由

加給年金の金額が大きいことはおわかり

いただけたと思います。

夫婦の年の差にもよりますが、最大5年

1,949,000円です。

 

ここで国の施策として、繰下げ受給の

場合のみ、繰下げ期間中は、加給年金が

貰えなくなります。

繰上げ受給の場合は貰えます。

 

さすがに、この差はおおきですよね。

繰下げ受給によりせっかく増やした

年金が損益分岐点を超える時には

平均寿命を超えてしまう例が多いと

思われます。

 

それでなくとも、年金の将来受給に

不安を持っている人が多いなか、

これでは繰下げ受給を選択する人が

非常に少ないのもうなずけます。

 

結果として、繰上げ受給選択率が、

繰下げ受給選択率を25倍以上です。

これにより、年休受給サイドからみれば

年金受給総額を押さえる施策として

はたらいています。

 

上記は、夫婦で夫の方が年齢が上で

あることを前提としています。

繰下げ受給に関しては、自分のご家庭

状況に当てはめて、一度検討してみて

ください。

 

また念のために、65才時に年金を受給

する旨の返信を行わないと、自動的に

繰下げしたものとみなされてしまいます。

十分、注意して下さい。

 

また、当然のことながら、加給年金等は

受給申請を行わないと受給できません。

60才,65才といったポイント年齢

での対応一覧を事前にまとめておき

ましょう。

 

まとめ

年金は65才から受給が基本ですが、

60才~70才の間で選べます。

繰下げ受給をすれば、8.4%/年で増額

されます。

 

繰下げ受給は、損益分岐点年齢と平均

寿命から考えて、繰下げ受給が有利に

思われます。

長生きリスク対策にも有利に働くと

考えられます。

 

しかし国の施策として、繰下げ受給

期間は、加給年金(約40万/年)の

受給が停止されます。

上記施策により、繰下げ年金の選択率は

1%台に留まっています。

 

【20180115追記】

年金支給を遅らせる方向性が出てきました。

 

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まとめ記事として、整理してみました。